森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

シングルモルト McClelland's SPEYSIDE

イメージ 1イメージ 2McClelland's SPEYSIDE
マクレランズ スペイサイド
種別:シングルモルト ウィスキー
生産者:T&A McClelland's
原産国:イギリス(スコットランド
輸入業者:サントリーアライド株式会社

先日テレビでスペイサイドの風土を放映していました。
風光明媚なスコットランドの山川にとても心惹かれたのですが、『ハイランドの約100の蒸留所の内50箇所がこの川岸に集まっている』ということで、そういえば家にもSPEYSIDEがあったと思い出しました。

ある日、急にグレンフィディックみたいなウィスキーが飲みたくなって買いに行くと、このマクレランズブランドの5種類(何故だかSPEYSIDEだけパッケージが2種類)が投げ売りしていたので、せっかくだからとグレンフィディックと同じSPEYSIDEを買ってきたのです。


ほとんど無名だと思うのですが、このT&A McClelland'sという所は1818年からグラスゴーを拠点にブレンドと輸出をしていた会社が1970年にモリソン・ボウモアに買収され、モリソン・ボウモアの1ブランドとして1986年にアイラ・ハイランド・ローランドを発売。1999年にスペイサイドを加えました。
(以上T&A McClelland'sのHPより)
ちなみにモリソン・ボウモアは現在サントリーの子会社になっています。

このような事情ですから、実際に生産しているのはモリソン・ボウモアが所有するどこかの蒸留所ということになるのでしょう。品質には期待が持てます。

また、これを手にとってみたのはパッケージが美しかったということもあります。やはりこのパッケージにはこだわりがあるらしく、
Kathy Wyatt
というデザイナーの作で、HPを見るとスケッチやイラストなどシックなものやヴィヴィッドなもの、様々な作品を見ることが出来ます。
だいたい、このHPの作りが良いですね。とにかく作品を見て電話をかけてこい!とばかりに、絵ばかりで説明は何もありません。


イメージ 3さてウィスキーですが、第一印象は『甘い』。香りも味も甘い。
ブレンドウィスキーのようなコクと渋みのある甘さでなくヴァニラのような歯止めのない甘さです。モルトがここまでの糖分を持っているのか不思議になるほどです。
「こんなモルトだったら、そのまま何らかの料理にしても美味そうだな。」そんなふうに思ってしまいます。

グレンフィディックのキリッとした感じとは全く違いちょっとガッカリしましたが、切り離して考えればこれはこれで役割があるでしょう。

私は普段ウィスキーはストレートでしか飲まないのですが、この甘さはちょっと受け切れません。だいたいが、グラスから直接鼻に香る香りが甘くて、シロップのツボに顔を突っ込んでいるようなのです。

水割りにしてみます。

水割りは信条に反するというより、現に美味くなくなるではないですか?なんであんなことをしてしまうんだろう・・・ という気持ちなのですが。
まあ、とにかく緊急避難的に水割りにしてみます。

さすがにシングルモルト。バランスが変わらずそのまま薄くなります。
しかし香りの強さが余り和らぎません。これがダメだあ・・

氷も投入します。

氷も、信条に反するというより香りがなくなるじゃあないですか?ブランデーに氷入れないですよね。ワインに氷入れませんよね。同じ理由でウィスキーに氷も理解不能なんです、私は。
まあ、ここはとにかく緊急避難的に氷を入れてみます。ガラガラとやけっぱちに。

イメージ 4ああ、やっとロンリコ程度に大人しい酒になった。これなら美味いですよ。
さっきから甘い甘いと書いているけど、私は甘いロンリコが好きですよ。あの細長いグラスでグイグイ行きます。
ブランデーだって甘いけど大好きです。
だから、このウィスキーはとてつもないのだと思います。

頭を切り替えればこれは大量の氷でキンキンに冷やしてもデザートのように甘く香るリッチなウィスキーでした。

きっと、大好きな人は大勢いると思います。酒好きだけどウィスキーが苦手な甘党の人。きっとこれが好きです。


[2010-2-10]