森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

夕方の興福寺とPIATTOに感謝

奈良散策

猿沢の池
ああ、前回来たのは中学の修学旅行。私は班長でした。
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風景に溶け込む、興福寺五重塔
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南円堂の梵鐘
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梵鐘付近から
三重塔の相輪でしょうか。
遠くに望むのは生駒山?ついさっきまでその麓にいたのですが。
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南円堂。先っちょだけ。
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さて、暗くなったので一旦宿に戻ってから出直し、食事処を探します。
古都を偲ぶような食事をしたかったのだけど、地元の生活の場という雰囲気の近鉄奈良駅周辺。随分歩いたのだけど気持ちが安らぐような和食のお店が見つけられず、宿近くのナントカバールというワインの在庫が売りの店に入りました。

ナントカバール(あえて伏せます)。奈良の食材を活かした和洋折衷の創作イタリアンというお店です。
ああ、ガラガラなのにトイレから30センチのカウンターに通されました。その時点ですぐに帰る腹はできていたのですが、一応料理とワインの内容を確かめる意味でサラダと魚料理一品を注文。
ワインはかなりの在庫があり品種別にリストされています。料理もリストの上ではかなりそそる内容です。

グラスで注文したシャルドネは温度が全然ダメ。
カウンターから眺められる調理は入念でした。しかし味が濃くてドタバタ。火の入れ方も極めて雑。
憩いと充足を求めて入った私には暴力を受けたようにすら感じられる料理でした。

シャキッと席を立ってセカンドチョイスであった向かいのPIATTOに入りました。


PIATTO
店に入った瞬間にわかります。本物。
こちらは本物です。わかります。
カウンターオンリーのこじんまりしたお店ですが、静かな空気の中モーツァルトピアノソナタが邪魔にならない程度の音量で流れていて寛げます。

何の懸念も無くお任せのコースを注文しました。
ワインは赤・白とそれぞれの3グレードから選ぶと、適切なワインを選んで供してくれます。好みも聞いてくれました。
料理は非常に繊細なレシピと絶妙な火加減で、調理人の真摯さが表れています。
パスタは噛み心地を楽しめる本物のアルデンテ。
ステーキは繊維感とトロトロ感の絶妙な融合。ソースは爽やかな酸味のある多層的な旨さ。
最後のデミタスは極めて濃厚な本物のエスプレッソ。
それでいてパフォーマンスを見せつけるのではなく、心静かに料理の中に引きこんでくれるような料理です。
生真面目さと誠意が味と香りに姿を変えたような料理とお店の居心地に感謝の念すら湧いてきて、疲れを癒してくれました。

そして肩の凝るいイタリアンの何分の一か、という料金。

小西さくら通りのPIATTO
奈良の皆さん、大切にしてくださいね。

シェフに重々お礼を言って店を出て、終わり良ければ全て良し、と一日を締めくくりました。

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きらびやかな駐輪場の二階にあるお店です。
料理の撮影などという世知辛い作業を、とてもではないけどする気が起きないお店でした。


[2013-9-27]