森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

AKG K271 Studio

AKG K271 Studio
オーストリア製の密閉型ヘッドホンです。
AKGはドイツ語風に『アーカーゲー』と呼ぶ人が多い様です。(それならBMWもベーエムベーと呼んで欲しい)

イメージ 1

イメージ 2イヤーパッドがほどけてしまいました。
サウンドハウスというショップでネット注文すると二日で届きました。便利になったものです。

この機種はディスコンティニューですが記録の意味も含めてこの機会に紹介しておきましょう。

低音は柔らかく、高音は細く。
極端に表現するとピアノの低音の『ガイーン』が『グォーン』に、高音の『カキーン』が『チーン』に聞こえます(くどいようですが極端に言うと、です)。

よく『低音が無い』と言われるのですがむしろ量はあると思います。高音に遅れてボリュームが上がるので存在感が少ないのです。

高音は細いが薄くなく、グラデーションがあるとても美しい鳴り方をします。
すこしベールを被ったような感があるのですが、録音経路の曇りまで顕にしているかもしれません。 

このような特性でピアノの場合弦の集まりだと言うことがよくわかる音で、スタインウェイベーゼンドルファーになったような感じもします。

弦楽器は繊細な表現が極めて明瞭に聞こえてきて、音色と表現に酔うことができます。

ポップスの女声はハスキーになり色気たっぷりに聞こえます。クラシックの女声は細くうるさくなります。

余韻の滞空時間が非常に長く、オーケストラではホールトーンが非常に心地よく聞こえます。

ただやはり強固な低音が感じられないのでリズムが緩く、サウンドの厚みはあるけどゴリ押しのような迫力はありません。

何でも上品に変えてしまうようです。

その特性を知っていればとても愛着の湧く機種です。

[2009-12-23]