森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

残侠- 天切り松 闇がたり (第二巻)(浅田次郎)

イメージ 1残侠-天切り松 闇がたり(第二巻)
作者:浅田 次郎
出版社:株式会社 集英社集英社文庫


第一巻では何の変哲もない小柄の老人を装っていた松蔵も、第二巻では声を荒げて叱ったり、誇るような話しっぷりに変わってきます。
ここら辺は好みの分かれるところかもしれません。

目細一家全員の人となりと仕事ぶりが振り描かれます。
第一巻のように、一家や一人ひとりが社会から追い込まれて行くようなエピソードよりも、任侠とは・心意気とは、ということを語っているように思います。

今で言えば、「己の流儀」とか「ポリシー」とかいうことになると思いますが、それを貫くことの大儀さと美しさが思い出されます。(私が子供のころは、まわり中でその言葉が聞こえてました)

読んでいる期間にちょっと嫌な事があったのですが、音楽を聴いてもクルマに乗っても気が晴れなかったのに、これを読み始めると心地よいリズムに乗せられて気持ちを切り替えることができました。

構成
残侠
切れ緒の草鞋
目細の安吉
百面相の恋
花と錨
黄不動見参
星の契り
春のかたみに




[2009-3-10]