森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

Blau Zeit 美しいタバコ PEACE

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JTから「Blau Zeit」が送られてきました。
Blau Zeitとはドイツ語で、無理にカナで書けば「ブラォ ツァイト」と読み、英語でいえば「Blue Time」という意味です。

JTが、タバコの銘柄である「PEACE」で縁のあった人に送っている販促雑誌のようなものです。

私は今は非喫煙者になってしまいましたが、以前は鼻から肺の奥まで全てでピースを味わうスモーカーでした。ピースはいろいろなバリエーションがあり、手に入れられる全てを楽しんでいました。

何かのきっかけでモニターのようなものになり、時々数本入りの見本やキャンペーンの案内が送られてくるようになりました。

非喫煙者になった今でも、そうしたものが時々送られてきます。


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JTがPEACEに入れ込む思いは並々ならぬものがあると見えて、どの販促物もとても美しくできています。
販促物自体を映画のパンフレットのように保管しておきたいと思うほどです。

私が言うまでもなく語り尽されたことですが、タバコは様々な文学や映画で、あるいや写真で、男にとっても女にとっても、粋(イキ)の象徴として重要な役割を演じてきました。

学生時代に時々行ったあるバーはマスターがジャズクラリネット奏者でした。
このバーには、カウンターにピースの缶(缶ピー)が「ご自由にどうぞ」とばかりに置いてありました。
マスターとピースを求めて音楽好きが集まって、クラシックではこう、ジャズではこう、今の若いヤツはロングトーンができてないとか、とりとめもなく楽しい談義をしたことが懐かしく思い出されます。

それに、吸わない人にはまるでわからないでしょうが、ピースは本当にウマいんです。やめてしまった今でさえ、香りをかぐと官能的な気持ちをそそられます。

タバコが滅びゆく習俗であるのは間違いないところですが、それを文化として愛した世代はまだ30~40年は健在でもあるでしょう。
その後は、滅び去った奇妙な忌まわしいもの、と歴史に書かれるのでしょう。


私には、愛すべき時間を過ごさせてくれたもの、としての情がしばらくは捨てきれそうにありません。

[2009-2-19]