CD:ヤンソンスのウェーベルン
ウェーベルン:夏風のなかで
指 揮:マリス・ヤンソンス
この演奏はヤンソンスの楽天的な響きとBRSOの伸びやかな上品さが相まってとても見晴らしの良い音楽になっています。それでいてヤンソンスにしては随分情動をテンポに込めて沢山の表現を盛り込んだ演奏ですが、それがどうも私には彼らしくない余所余所しさに感じられてしまいました。
私にとって12枚目のシベ1となりますが、ちょっと要求が高すぎたでしょうか。
『青少年のための管弦楽入門』はBRSOの美しい響きと妙技を活かした佳演で大変楽しめます。
とは言え曲そのものに大人が傾聴するような含蓄が無いのでいささか苦しいのは否めません。
対してウェーベルン『夏風のなかで』は非常に精妙な美しい演奏です。
かなりのダイナミックレンジを持った演奏なのにそうとは感じさせない自然さがあります。繊細かつ快活で若々しい爽やかさの支配する演奏です。
曲自体がヤンソンスにもBRSOにも合っていると言えるでしょう。これだけで掘り出し物のCDとなりました。
[2013-10-27]