森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

神明恵和合取組 勘三郎最終公演

明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
(め組の喧嘩)


2012年5月18日 平成中村座
WOWOWの放送を録画視聴)
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実際にあった江戸火消しと相撲力士の喧嘩を描いた世話物です。
中村勘三郎さんの追悼番組として放送されたものをようやく見ました。

茶屋でのイザコザから大乱闘までまっしぐらの単純明快なストーリーです。
火消しの生活ぶりや女房子供とのやり取りが活き活きと描かれています。
また大詰めの乱闘シーンも様式化されたものではあっても痛快なリズムと迫力があり、単純に楽しめる快作です。

勘三郎さんは今見れば異様な汗のかきかたをしていますが、いつものことという気もします。どんな体調だったのでしょう。
整った面立ちや明るい声から私にはやや軽く見えていた勘三郎さんですが、骨太に育って心強く思えた勘太郎勘三郎さんと一緒の舞台では若く軽く見えてしまうくらい、勘三郎さんは存在感がありました。
小柄ながら力士姿の橋之助亀蔵に少しも引けをとらない立ち姿は立派でした。

また、終演後舞台裏が開いて浅草三社祭の神輿が雪崩れ込むサプライズがあり有終の美を飾りました。

とてつもなくエネルギッシュな役者でしたね。惜しまれます。


[2013-3-17]