森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

RENT/レント ~ ラ・ボエームのミュージカル

ミュージカル RENT/レント

作詞・作曲・脚本:ジョナサン・ラーソン
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オペラ『ラ・ボエーム』の翻案ミュージカルだということで録画して見てみました。
確かに舞台設定や人物設定は『ラ・ボエーム』を踏まえているけど全くテイストの違う作品です。

ミミとロジャー(ロドルフォに相当)。二人の間にあるのは貧困と結核・・ではなく、エイズとドラッグ。

ゲイ、バイ・セクシャルエイズとドラッグとそれに少し貧困。
それがこのミュージカルの基調です。

現代的なテーマを与えたことで話が身近になったかといえば日本で暮らす私には完全に無縁の世界で、かえって19世紀の物語より縁遠いものになってしまっていました。
人物描写もあっさりしていて感情移入を誘うような演出もありません。

音楽はまあ良いのだけど胸のすくような歌唱や、心が沸き立つようなダンスシーンもあまりなく、どうも地味な印象。

おまけにラストシーンはアメリカ式ご都合主義もここに極まれり、といった白々しいものでただ呆れるばかりでした。

大当たりしたミュージカルだそうですが、映画化の過程でなにかが抜け落ちてしまったのでしょうか・・・


[2013-3-15]