『悲愴』 フェドセーエフとチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ
チャイコフスキー 『悲愴』
指 揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
2012年10月21日 ザ・シンフォニーホール
(テレビ朝日の放送を録画視聴)
そのダイナミックなロマンは本当に衝撃的で、何十回も聴いて全てのフレージングやアーティキュレーションを暗記してしまったほどです。
昨秋そのロジェストヴェンスキーが読売日本交響楽団を振る5番の演奏会があったのですが、チケットを買っておきながら仕事の都合でどうしても行く事ができませんでした。
悔やまれます。
そしてそのちょうど二週間後が最近放送されたこのライブです。
コンダクターは逃しましたがせめてオケだけでも聴いておこうかと、本当はフェドセーエフという指揮者は肌が合わないのですが録画視聴しました。
知らなかったらマイナーオーケストラと勘違いしてしまうところです。
私の知っているフェドセーエフとはずいぶん違うような気がします。
絶望・懐古・カラ元気・諦観。そんな物たちをグイグイと突きつけてくる悲愴ではありません。
これはこれで私の好みではないけどステレオタイプではない別の美しさを感じさせてくれたことは確かです。
聴いていて気分が沈んでしまうようなことはないけれど、シルキーな輝きも金属的な輝きも優雅さも無いけれど、いぶし銀の輝きで描かれる安定の上の繊細さはここでしか聴けない美感にあふれたものでした。
満足です。
[2013-1-5]