パリ・オペラ座 ジェローム・ロビンスへのオマージュ
パリ・オペラ座 バレエ公演
ジェローム・ロビンスへのオマージュ
イン・G・メジャー
音楽:ラヴェル
振付:ジェローム・ロビンス
マリ・アニエス・ジロ
フロリアン・マニュネ
イン・ザ・ナイト
音楽:ショパン
振付:ジェローム・ロビンス
アニエス・ルテステュ
ステファン・ビュヨン
クレールマリ・オスタ
バンジャマン・ペッシュ
デルフィーヌ・ムッサン
ニコラ・ル・リッシュ
ピアノ:ヒサヤマ・リョウコ
コンサート
音楽:ショパン
振付:ジェローム・ロビンス
ベッセラ・ペロフスカ
ステファン・ファボラン
ドロテ・ジルベール
アレッシオ・カルボネ
エマニュエル・ティボー
トライアド
音楽:ニコ・ミューリー
振付:バンジャマン・ミルピエ
マリ・アニエス・ジロ
オドリック・べザール
マルク・モロー
指揮:コーエン・ケッセルス
2008年9月 パリ・オペラ座
最初の『イン・G・メジャー』では、ラヴェルのピアノ協奏曲に振りつけているにもかかわらずブロードウェイミュージカルのような軽快でポップなダンスが披露されます。
しかしその中に皆のマドンナと思われる役柄が現れると一転して優雅なクラシックバレエに様変わりというように、とても幅の広いクロスカルチャーなダンスが楽しめます。
『イン・ザ・ナイト』
満天の星空を背景にシンプルで美しいドレスが舞う美しい振付。
特に印象的なのは体幹を中心とした人体の動きの美もさることながら、舞台空間に二人のダンサーが描いていく軌跡がこの上もなく優雅で音楽的で、真っ黒な背景に単色のドレスがこれを強調しています。
アメリカのミュージカルで活躍した振付師という先入観が完全に吹き飛ばされてしまう、完璧なクラシックテイストの極上美を堪能させてくれました。
『コンサート』
演奏会に訪れた人たちの妄想を描いたコメディだそうです。
ドロテ・ジルベールの屁っ放り腰やがに股失神シーンなど思いっきり無様で、あまり見たくなかったなあというのが偽らざる心境ですが、パリ・オペラ座のエトワールにこれをさせられるのはジェローム・ロビンスぐらいなものでしょうか?
馬鹿馬鹿しい表現のために普段は見られない技巧を見ることができるのは楽しい一面です。
『トライアド』
ロビンスの弟子であるミルピエの演出。
男女4人の関係性を表現したそうです。
とてもシャープで直線的な振り付けです。
アステアのステップやウェスト・サイド・ストーリーの乱闘シーンを彷彿とさせる部分があります。
面白いのですが4人それぞれの個性がもっと感じられたら良かったと思いました。
私はジェローム・ロビンスという名前を知らなかったのですが、人間の動きを突き詰め極めていくという人ではないかもしれないけど、大変親しみやすくある意味で普遍的な美しさをもった優れた振付だと感じました。
それにしても、このうちデルフィーヌ・ムッサンはすでに引退、クレールマリ・オスタも近々引退でしょうか。
寂しい限りです。
[2012-7-1]