森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

バレエ《火の鳥》 サンクトペテルブルク白夜祭2008から

サンクトペテルブルク白夜祭2008

バレエ:マリインスキー劇場バレエ団
イメージ 1
振付・台本:ミハイル・フォーキン
改訂版振付:イザベル・フォーキン
アンドリス・リエパ
踊り:
 火の鳥=エカテリーナ・コンダウロワ
 イワン王子=イリヤ・クズネツォフ
 王女=マリアンナ・パブロワ
 カスチェイ王=ウラディーミル・ポノマレフ



火を表す真っ赤なチュチュを着たエカテリーナ・コンダウロワの美しさが印象的です。

イメージ 2
白鳥の湖》のオデットと違い活発に飛び回る火の鳥の様を、足をほとんど伸ばしたまま上へ上へと向かうような動きや、鳥らしい素早い首の回し方、魅力を誇示するような視線の向け方で表現しています。


気高さや神秘性よりも、女性的でキュートな火の鳥です。

手塚治虫の《火の鳥》が思い起こされます。


イメージ 5
イワン王子に捕まる火の鳥

王子が火の鳥のチュチュを掴むという、バレエとしては珍しい動作も魅せますが、やはりこの演目で王子は陰が薄いと言わざるを得ません。








イメージ 3

カスチェイ王はとても気味が悪くて嫌味な感じの動きを、あまりバレエ的ではないけど巧みに表現していて、彼らはダンサーである事を超えて、動きによる演技者なのだと感じます。







イメージ 4

魔法で拐かされている王女たちが楽しそうで、助ける必要性を感じられないほどです。









イメージ 6
カーテンコールでも火の鳥の姿勢を忘れず、美しく舞い降りるようなお辞儀姿を見せます。












もちろんゲルギエフマリインスキー劇場管弦楽団は堂に入った、カラフルで活き活きとした演奏を聴かせてくれました。

元気がでるような、たいへん魅力的なプログラムでした。


[2011-12-20]