《ランデヴー》 パリ・オペラ座バレエ
パリ・オペラ座バレエ公演
《ランデヴー》
出演:
この世で一番美しい娘=イザベル・シアラヴォラ
若者=ニコラ・ル・リッシュ
指 揮:やニス・プスカリプス
台 本:ジャック・プレヴェール
音 楽:ジョゼフ・コスマ
舞台幕:パブロ・ピカソ
振 付:ローラン・プティ
ふとしたことで死神の召喚状を受け取ってしまった若者は現れた死神に
「明日、この世で一番美しい娘とランデブーの約束があるので見逃して欲しい」
と嘘を言います。
あっさりと引き下がる死神。
翌日、不思議なことに若者の前に美しい娘が現れます。
死神をやり過ごした上に《この世で一番美しい娘》と出会ったことにはしゃぐ若者。
しかししばらく戯れた後、娘は若者の喉を掻き切るのです。
《枯葉》のメロディーに乗って、若者が死神の手にかかるまでの顛末が描かれます。
ニコラ・ル・リッシュは陽気だったり悩ましかったりする若者を軽やかに踊っています。
《ばらの精》が素晴らしかったシアラヴォラ。
ここでは『この世で一番美しい娘』を柔らかく妖艶に演じています。
キャラクターの性格や役割が的確に演じられていて、小品ですが物語バレエの醍醐味を味わうことができます。
ニコラ・ル・リッシュのダンスはもちろん素晴らしいけど、死に囚われてしまった若者の表情が素晴らしく、ダンサーとはいえ本当の演技者であることが分かります。
物語を踊るためにはやはり、心の機微がわからなければならないのでしょう。
それが、体躯にも指先にも、そして顔の表情にも豊かに表れています。
枯葉を基本にしたシックな音楽は物語の世界にとても入りやすい編曲と演奏です。
バレエ入門者にはとても見やすく、感動できる小編です。
[2011-11-13]