《プロコフィエフへのオマージュ》 紀尾井ホール
セルゲイ・プロコフィエフ生誕120周年記念音楽祭
《プロコフィエフへのオマージュ》
2011年11月1日 紀尾井ホール
司会:栗原小巻
プロコフィエフ(1891-1953)の、今年は生誕120年でした。
本日は8人の演奏家によるインティメットな演奏会でした。
8人はみな日本在住であったり日本を頻繁に訪れるロシア人の演奏家たちです。
その8人とは別に始めの《ピーターと狼》では小学6年生の日本人の少女と小学3年生のロシア人少女も演奏してくれました。
この二人、なかなか構成力のある演奏をしてくれました。
しかし、私のお目当てはピアノのイリーナ・メジューエワ。
彼女の演目は
バレエ音楽《シンデレラ》から《フィナーレ》(ミハイル・プレトニョフ編)
《束の間の幻影》Op.22より第3,10,11,14,17
《こどもの音楽》Op.65より第1,4,6,7,11
《10の小品》Op.12より第2,3,7
でした。
《シンデレラ》ではブリリアントな音で今日はじめて会場の集中力が高まりました。
《束の間の幻影》は非常に立体感のある硬質な響きで、各声部の役割がはっきりと感じられる演奏でした。
《こどもの音楽》《10の小品》は大変可愛らしい小品集ですが、各曲の特徴を描き分け見事です。
ブリリアントでキビキビした響きの中に美しくタップリした夢を抱きとめたといった風情です。
メジューエワの単純な曲を充実感を持って豊かに響かせる力は素晴らしい物があります。
そして彼女の演奏にこのホールはよく合っているようです。
チェロのピツィカートとピアノが妙にマッチしておりピアノの音が他の楽器と溶け合う、という珍しいサウンドを楽しめました。
因みにエレーナ・アシュケナージはウラディーミル・アシュケナージの妹さんです。
エレーナさんのピアノは表情豊かですがエキセントリックにならず、合せ物で良い個性を発揮しています。
司会の栗原小巻さんは日ソ合作映画に3本主演されたそうで、ロシアにも熱烈なファンが多くいるそうです。
栗原小巻さんが「ペール」と優しく呼びかける声にゾクッとしたものです。
そんなことも思い出された、ホームパーティのような演奏会でした。
[2011-11-2]