ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲第1番 イ長調 op.4
ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン2011における演奏の収録をNHKで放送しました。
どのような経緯で現在の名称に改名したのかはわかりませんが、フォルクスオパー初代総監督の名に値するという自覚が生まれたのでしょうか。
団に名をもらった作曲家の作品を演奏するとなれば、格別の想いがこもると考えられます。
この曲は若い頃の作品ですがツェムリンスキーの美質が十分に現れています。
ツェムリンスキー弦楽四重奏団はどのパートも細い音なのですが、ひ弱さもエキセントリックさもなく、何よりも音程が極めてしっかりしているので「精妙」という言葉がよくあう演奏です。
とくにチェロの、立ち上がりが速くビブラートに頼らず音程を探すことのないきびきびした演奏が全体を引き締めています。
そして音量のバランスを非常に追い込んでおり、細い音色で安定感と躍動感を表現したすばらしい演奏をします。
曲自体が第一楽章以外が少し平凡なきらいがあったものの、大変楽しめる演奏でした。
彼らの演奏をもっと聴きたいと思いました。
[2011-7-31]