森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

DENON AH-D1000 密閉型ヘッドホン

DENON AH-D1000
密閉型ヘッドホン
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AH-D1100が発売され、ディスコンティニューになるかも知れないので評価しておきます。

オーバーヘッドで耳を覆うタイプ。
ハウジングは小さく福耳の人は少し困るかも知れません。
しかしその音質はかなり定評のあるものです。

希望小売価格\18,900の機種としてはバランスが整っていて、どこかに特徴を持たせて聴きごたえを演出していると感じにくい音作りです。

一聴して『しっかりした音』。
すべての音を実体感のある強い鳴ら方をしてきます。
高音はややおとなしめで低音がゴツいピラミッドバランスで、ドンシャリとは全く違います。

高音は大人しいとはいっても存在する音はきちんと鳴らしています。
低音もブーミーなものではなく、輪郭のはっきりした強さ・重さを感じる低音です.

また、全体に音楽が近くで鳴っているように感じます。


AH-D5000、HD-650、K-270Sと比較してみました。

AH-D5000では、同じ演奏がまるでワインヤード型の石と木でできたコンサートホールに移動したような広がりと解像度の向上を感じました。

HD-650では、一つ一つの音の芯が濃厚な味で訴えかけてくる様に感じました。

K-270Sでは、弦の震えがヴァイオリニストの手首の返しまで見えるようなリアリティで迫ってきました。

上位機種にはそれなりのアドバンテージが確実にあるのですが、AH-D1000では過不足なく全てを備えているそのバランスが魅力です。

先入観なく、廉価なヘッドホンから乗り換えたら、高級な音に感じられて感動するのではないでしょうか。
個性でなく完成度を楽しめるヘッドホンです。


[2010-9-24]: