グルック作曲 歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》
グルック作曲 歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》
エウリディーチェ=ダニエル・デュ・ニース
アモール=ハイディ・グラント・マーフィー
バレエ:メトロポリタン歌劇場バレエ
合 唱:メトロポリタン歌劇場合唱団
指 揮:ジェームズ・レヴァイン
演 出:マーク・モリス
2009年1月24日 メトロポリタン歌劇場
METライブビューイングの収録です。
お馴染みのオルフェウスの話です。
妻エウリディーチェをなくしたオルフェウスが愛の神アモールの計らいで、黄泉の国から彼女を連れ帰ることを許される。
ただし、途中エウリディーチェを見てはならないし、この取引について話してもならないという。
しかし、帰途のエウリディーチェは夫の態度を不実であるとなじり、たまらなくなったオルフェオはエウリディーチェを見てしまう・・・
とても単純な話ですが、心地良いバロック音楽とバレエによって、高い求心力を持っています。
彼女はメトの若手育成プログラム出身で、今宵の指揮者のレヴァインとも信頼関係を形成しているようです。
素晴らしい安定感と艶のある声で、低音部分だけ聴いていたらまさに凛々しいテノールと勘違いしたでしょう。
しかし、高音部は輝かしい女声で、声そのものに魅了する力があります。
声の木目がなめらかでとても気持ちのいい声です。
アモールはコミカルな演出がされていて、歌手の力量を測り知るのが難しい印象です。
スーパーに買物に行くようなアモールで何を表象しようとしたのでしょうか?
エウリディーチェのダニエル・デュ・ニースは素晴らしい熱唱で、演技も歌も充実感タップリです。
繊細さと情熱を合わせ持った良い歌手ですね。
ただ、ステファニー・ブライスの声の伸びと対比してしまい、もうすこしブリリアントだったら、と感じてしまいました。
オーケストラはもう少し膨らみのあるサウンドが欲しいと感じました。
キビキビするのか、柔らかくするのか、どちらつかずな印象でした。
[2010-6-24]