森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

《明日の神話》と岡本太郎記念館

レンピッカ展Bunkamuraへ向かう前、岡本太郎の 明日の神話 の前を通っていきました。
紆余曲折を経て、私にとっては電車の乗り継ぎなしで行けるこの地(渋谷駅通路)に移設されたことは喜びです。
イメージ 1
もう当たり前の風景になっていて、顧みる人はいません。
描かれた1968年当時と違い、羽目を外したり本能剥き出しのポップアートが当たり前の現在では、大きなインパクトは無いのかもしれません。
イメージ 2


イメージ 3
そしてレンピッカの後 表参道のカフェ A to Zで昼食をとり、たまたま2~3分の所だったので岡本太郎記念館へ足を延ばしてみました。

生前、岡本太郎の自宅兼アトリエであったところです。
現在は門を入ってすぐ左がカフェ、右がテラスになっており、それを通り抜けた玄関前で入館チケットを販売しています。


















日本の住居なので靴は脱いで入館します。
二階まで吹き抜けのひろびろとしたアトリエは、むしろ工房と日本語で言うのがしっくりくるような立派な空間です。大型の作品が多く、沈潜よりは爆発を志向した太郎にはこういった空間が必要だったのでしょう。
刷毛の本数が尋常ではなく、同時に多数の色を使用したことが伺われます。

イメージ 7
どの部屋や庭にも彼の作品が一杯で、いくらでも手に触れてみることができるのは感激です。




















イメージ 8
ここでは怒りの顔や喜びの顔、様々な顔に遭遇します。

どの顔にも触ってみることが出来ます。

ヨーロッパの小さな美術館ではブロンズ像のように堅牢な作品は触れる事が珍しくないのですが・・

















イメージ 4
庭に何匹かいるこのチビ犬が気に入りました

(それにしても彫塑作品の写真は難しい!

色でごまかせない陰影の世界はデジカメや液晶モニターの弱点を突いてきます)









ただ、立体造形や大型の作品が多いためこの住居では展示には狭すぎるようです。
岡本太郎の作品を創作の場で身近に感じ、彼を偲ぶための空間と考えた方が良いかも知れません。
今日の最大の収穫は 「もっとたくさん見たーい」 という子供の声がどこからか聞こえてきたことです。とても嬉しく思いました。

イメージ 5イメージ 6









 

[2010-3-21]