森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

《カヴァレリア・ルスティカーナ》 カラヤン-スカラ座

マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ

管弦楽ミラノ・スカラ座管弦楽団
合唱:ミラノ・スカラ座合唱団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演出:ジョルジョ・ストレーレル
監督:オーケ・ファルク
録音:1968年ミラノ・スカラ座
撮影:1968年パラッツォ・ジャッキーオ(ミラノ)
出演:
サントゥツァ=フィオレンツァ・コッソット
トゥリッドゥ=ジャンフランコ・チェッケーレ
ルチア=アンナ・ディ・スタジオ
アルフィオ=ジャン・ジャコモ・グェルフィ
ローラ=アドリアーナ・マルティー


カラヤンスカラ座の既に定評のある版とは同じキャストですが、録音年代が3年ほど後になっています。

ストーリーとしてはいきなり起承転結の結から始まる唐突さと、80分しかない尺の半分が痴話喧嘩の愚痴という構成に戸惑うばかりですが、コンクールの応募作品だけあってマスカーニの作曲能力の品評会のような、どこを切り取っても華麗で劇的な音楽には圧倒されます。

カラヤンはその華麗さを表出することに専念していてオーケストラはもちろん、歌手陣もひたすらカラヤンに貢献していて、多様なニュアンスよりはただ一点を目指した贅沢で強力な響きと歌唱に魅せられます、

映像は舞台撮影映像ではなく映画形式なので細かい表情は良く見て取れるのですが、録音は舞台らしく移動や姿勢の様子が音に現れており、声に漲った力が画面では身体の姿勢には表われておらず、むしろ舞台を見たかったと感じてしまいました。

それに、前奏曲と間奏曲にオーバーラップされるシチリアの風景に心が乾きます。この間のヴィスコンティの山猫ではそのシチリアの乾きが効果的だったけど、ここでは苦しく感じました。舞台上の様式美で味わいたかったと、やはり感じてしまいました。
(私はどうも、こういうシチリアとかアリゾナなどの風景が苦手のようです。)

音楽としてだけ聴いたら最上等のサウンドにどっぷり浸れることは間違いありません。


イメージ 1裏切り者ぉ!
知るかっ!

イメージ 2なあなあ、ローラ
ふっ

イメージ 3やるかっ!
やってやる!