ムストネン シベリウス:交響曲第6番
NHKの放送を録画視聴
第四楽章冒頭
ムストネンという音楽家は知性派だと聞いていたのですが、ここで繰り広げられたのはとんでもない入魂の演奏でした。
指揮ぶりはちょっと風変わりな不器用そうな感じですが、スコアを読み込んでいることがわかる明確な指揮です。
しかし、全身を使って身悶えするような激しいエモーションの表出はとても印象的です。
この人、かなり感極まっています。
しかし、全身を使って身悶えするような激しいエモーションの表出はとても印象的です。
この人、かなり感極まっています。
第四楽章コーダの出だし
シベリウスに抱きがちな寒々とした霧に半分隠れた湖と針葉樹、というイメージは冷静に表現しつつ柔らかい低音弦と深いティンパニの音にビブラートをたっぷりと効かせた高音弦を載せて、感情の起伏を激しく表現しています。
安っぽいドラマ性は微塵もなく、揺るぎない自然をきちんと描写した上に郷土や自然美への狂おしいほどの愛を品格を持って吐出しています。
安っぽいドラマ性は微塵もなく、揺るぎない自然をきちんと描写した上に郷土や自然美への狂おしいほどの愛を品格を持って吐出しています。
この人の評価によくある『奇才』とか『個性派』『知性派』などの印象は全く微塵も感じさせない、自然で普通で純度が高く熱い演奏でした。
私はこの演奏を 涙なしに聴くことができません。惚れ込みました。
永久保存版です。
終曲後、しばし没我の境地。
拍手は始まらない。
良い聴衆だ。
拍手は始まらない。
良い聴衆だ。
[2009-9-20]