森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

オペラ座の怪人 at the ロイヤル・アルバート・ホール

25周年記念公演 in ロンドン
オペラ座の怪人 at the ロイヤル・アルバート・ホール

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制作:キャメロン・マッキントッシュ、アンドリュー・ロイド=ウェバー
作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
キャスト:
 オペラ座の怪人=ラミン・カリムルー
 クリスティーヌ=シエラ・ボーゲス
 ラウル=ヘイドリー・フレイザー
 カルロッタ=ウェンディ・ファーガソン

立川シネマ・ツーにて









(チラシを入手出来なかったので、劇場のポスターを撮影)


アンドリュー・ロイド=ウェバーのオペラ座の怪人がロンドンで初演されたのが1986年でした。
その歴史を踏まえた大規模な公演の記録を映像化したものです。

さすがに舞台も衣装もライティングも、これでもかと言うほど凝りに凝った舞台でした。

クリスティーヌ役のシエラ・ボーゲスは囁くような可憐な声から胸のすくような朗々とした声まで自由に操って素晴らしい歌唱でしたし、怪人役のラミン・カリムルーも硬軟自在な歌手で、ファルセットの泣き声から怒鳴り声まで力強く豊かな感情表現を見せてくれました。

ラウルのヘイドリー・フレイザーがやや声が硬いのが聞きづらいと感じました。
愛情と苛立ちの二面を表現しなければならないこの役はなかなか難しいようです。

めまぐるしく変わる舞台と美しいライティング。炎や火花やスモークや紙吹雪。
舞台への出入り口が方々に配置されていて、屋根の上にあるオーケストラピットまで走りまわる俳優たち。
それに重厚で華麗なオーケストラと素晴らしい歌唱。
私にとっては過去に見たどの《怪人》より感動的です。

映像化にあたってのカメラアングルが非常に巧妙でスタジオ収録かと錯覚するほどです。
立体感のある演出に額の汗まで見えるアップを交え、客席も含めたホールの俯瞰も多用しその場の全てを味わい尽くすような映像化でした。
METライブビューイングには是非これを見習っていただきたい。


カーテンコールの後ロイド=ウェバーが登壇し挨拶した後、歴代キャストやマッキントッシュたちが勢ぞろいしました。

初演時の怪人役マイケル・クロフォードとクリスティーヌ役のサラ・ブライトマンも出てきましたし、他の存命のキャストたちも歌声を披露してくれて楽しい同窓会のように盛り上がることができました。
サラ・ブライトマンの歌はセクシーになりすぎていたけど(それにしても、いつにも増してブレスの音が大きい・・・苦手)、それぞれに持ち味を発揮してまたと無い素晴らしい歌唱リレーを堪能することができました。

単に最高の《オペラ座の怪人》を見たと言うより、言葉もない程素晴らしい体験だったと言えます。
とにかく、本当に行って良かったと心から感動できる公演記録でした。

ミュージカル好きでこれを観ないというのは、あり得ない選択ではないでしょうか。


劇場は立川にあるシネマ・ツーというシネマコンプレックスで180人収容のホールでしたがキャパシティに比してスクリーンが非常に大きく実に見応えがありました。

音響も充実していて、かなりの大音量なのに聞き取りやすく、拍手の音は劇場全体を満たし自分も周りの人たちもただジッと座っているのが奇妙に感じられたほどです。

これも、METライブビューイングを上演する東劇には見習っていただきたいと思います。


イメージ 2
目立たない場所とこぢんまりとした入り口な上、外は暗い時間なのに看板は消灯・・・節電でしょうか










イメージ 3
入り口を入るとエスカレーターがあるのみ。

二階はチケットカウンターと売店

4階、5階が劇場となっています。

モノレール脇に立地しているので度々座席が振動し、そのたびに「また地震か」と気になりました。








[2012-3-27]