森羅観照記

つれづれなるままに・・。当世ではそれを「チラシの裏にでも書いとけ」と呼ぶそう。

映画 オレリー・デュポン 《輝ける一瞬に》


イメージ 1オレリー・デュポン 《輝ける一瞬に》

監督:セドリック・クラピッシュ
2010年 フランス









フランスでTV放映用に作成されたプログラムのようです。

オレリー・デュポンはパリ・オペラ座バレエのエトワールです。

映画というカテゴリーに入れられてはいるけど、1人のバレリーナを少女時代から25歳でエトワールに登りつめるまでを追ったドキュメンタリーです。

バレエの美しさはもちろん、バレリーナたちの激しい鍛錬から日常の風景、本番楽屋裏の忙しなくあられもない様子、妊娠・出産と現役復帰などを収めています。

我々はオレリー・デュポンを《エトワール》というラベルで見てしまいますが、この作品の彼女は我々にも理解可能な1人の女性として登場してきます。

その生身の女性が我々の日常からかけ離れた世界で頂点を極めるまでが、リアルに迫って来ます。

映画監督の作品ですから、例えば彼女が不安を訴えたり愚痴を言ったり、練習で全くうまく踊ることができない場面など、どんな場面にも形としての美しさと共に、人間としてのリアリティが描かれています。

淡々とした自然主義的なドキュメンタリーではなく、感情移入が可能な作りになっています。

例えば片足で延々と回転するシーケンスは、始め筋力が全く持たず途中で倒れこんでしまっていたものが、数日後の収録では完璧に踊りきって尚余裕がある、などはまるで映画ロッキーのトレーニングシーンのようです。

一時間に満たない短い作品ですが、内容であるバレエダンサーの世界も、映像作品としても、非常に魅力的に見ることができました。


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オレリー12歳

足の長いこと









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オレリー15歳











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くちづけをしたまま高速回転











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オレリー25歳でエトワールに昇格
1998年12月31日 










[2010-12-12]